便秘については、以前も取り上げました。(「健康管理の基礎知識」コーナーに)しかし、便秘に悩んでいる人は多く、健康管理士ちびたんの元に来る相談もとても多いのです。便秘解消には「食物繊維を摂る」「腹筋運動をする」「水分を摂る」・・・というのは皆さんよく知っていると思います。でも、なぜ便秘は解消されないのでしょう?
そんなことを考えている時、近所の古本屋さんで、古い(1986年発行・・・もう16年も前ですね)1冊の本を見つけました。「便秘よさらば」(朝日新聞社)というお医者さんの書いた本です。現在の便秘に関する情報と、16年前の情報、どう違うのだろう、どう進歩したのだろうと購入して読んでみました。するとほとんど何の違いも無いのでした。違うと言えば、「1日に摂るべき食物繊維の量」ぐらいです。16年前の本では、「食物繊維を1日6g〜8g摂りましょう」と書いてあります。最近では、「1日25g前後」が理想とされていますから、食物繊維の有用性がわかって来るに従って、どんどんその必要だと考えられる量も増えて来ているんですね。しかし、
昭和30年 食品総摂取量 1100g 食物繊維摂取量 22.2g
昭和60年 食品総摂取量 1346g 食物繊維摂取量 17.3g
と、実際に摂取出来ている量は減ってしまっているようです。現在では15g程度と予測されています。と、言うことは、「食物繊維を摂りましょう!」と言われているし、それが良いことだとみんな知ってはいるのだけれど、実際には摂れていないということになります。それはなぜなんでしょう?!
この本を書いた坂元先生は、日本で唯一、そして初めてという「便秘外来」(埼玉県越谷市立病院)の先生です。う〜む、先生は16年も前からこうした指導をして来たのに、便秘で悩む人はちっとも減らない。テレビではホラ、また便秘薬のCMが・・・。情報化社会と言われる現代、「便秘解消」に関する情報もたくさん溢れているはずなのに・・・。なんででしょうか?!
やっぱり便秘はとっても深くて難しい問題なのでしょうか。そこでもう一度、便秘について更に詳しくおさらいしてみましょう!
1.お通じの仕組み
お通じは実はとっても複雑な仕組みです。脳が深く関係しています。直腸にうんち君がやって来て、その周りの筋肉を押し広げると、これが「排泄」の信号になります。いわゆる「便意」ですね。すると脳の各分野は、それぞれに様々な指令を出します。直腸を収縮させたり、肛門括約筋を弛緩させたりと、片方は縮めて、他方は緩ませるという、大変高級な命令だそうです。
そして多種の「反射運動」があります。反射運動とは、意識しなくても働く神経・筋肉の連携プレーです。歩くときに「右足の次は左足で・・・」と、考えなくてもちゃんと交互に前に出るようにです。それらはすべて神経信号となり、あるものは大脳皮質へ、あるものは自律神経系に送られる。そして、超複雑な神経ネットワークをかけめぐった後、たくさんの信号群となって、最終的に「うんち君排出」のために一致して集まって来るのだそうです。
そしていよいよ排泄となると、「リキミ・横隔膜の固定・腹筋の収縮」の3つがポイントになります。これを支えるのは、「顔面神経・迷走神経・横隔膜神経・下部胸神経・骨盤内臓神経・陰部神経・肛門挙筋神経・座骨神経」・・・・とこんなにたくさんの神経が勢揃いすることになるんです。すごいと思いませんか?
さらにすごいのは、便意を感じても我慢出来る、実行するタイミングをコントロール出来ることでしょう。外肛門括約筋を意識的に収縮させることによって、粗相を逃れることが出来るわけです。「うんちする」・・・こう書くととても簡単そうですが(笑)、「もよおしてから排泄する」までというのは、実はとても複雑な仕組みなんです。
この複雑なところに、どうしたらいいのかわかっていても解消出来ない、便秘の原因があるのかもしれません。そこで「食物繊維を摂る」「腹筋運動をする」「水分を摂る」以外(?!)の便秘解消法について考えてみましょう。
2.便秘解消法・・・便意を逃さない
人間は、先程お話したように、「便意を感じても我慢出来る」ので、それが便秘の原因になってしまうこともあります。「便意を逃さない」、これも大事な解消法の1つです。毎日トイレに行く習慣を付けるようにしましょう。出来れば少し早起きして、トイレタイムを確保したいものです。朝起きてすぐの空腹時に、コップに3杯くらいのお水を飲みましょう。お水の刺激で腸が動き出したら、トイレへゴー!
また学校や職場でトイレに行きたくなったら、なるべく我慢せずトイレに行きましょう。うんちをするのは恥ずかしいことではありません。お腹にうんちを溜め込んで、腸の中は悪玉菌でいっぱい、だからトイレの後やおならがクサ〜い!・・・方がよっぽど恥ずかしいことだと思いましょう。
3.便秘解消法・・・自律神経のバランスを整える
そして現代人にとって、いろんなトラブルを引き起こし、もちろん便秘の原因にもなってしまう、自律神経の不調、これを改善しましょう。胃腸の働きは、副交感神経が司っています。普段仕事をしたり、活動している時は、交感神経が働いているので、胃腸をきちんと働かせてあげるには、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えが上手く行かないとダメなのです。
ストレスなどで自律神経が変調を来すと、このスイッチの切り替えが上手く行かなくなります。そうなると一番最初に影響が出るところが、胃腸でもあります。そのせいで、便秘もそうですが、逆に下痢になってしまう、また、便秘と下痢が交互にやって来ることもあります。「過敏性腸症候群」と言われるもので、いわゆる自律神経失調症(が原因)です。
そういったことが考えられる場合、食事と運動だけでは改善出来ませんから、自律神経の働きを正常に戻してあげなくてはなりません。「自律神経のバランスを整える」ということです。まず自律訓練法が有名ですね。自立訓練法には第六公式までありますが、坂元先生曰く、下記を行えば便秘解消には充分効果があるそうです。
(安静練習) 「気持ちがとても落ち着いている」
目を軽く閉じてリラックスする。
(重感練習) 「両腕両脚が重たい」
足首、膝、腰が重たくて心地良いと思う。手、腕、肩も重たくなって心地よい。体中が重たくなっていることを感じる。
(温感練習) 「両腕両脚が温かい」
重たい手足が温かくなって心地良いと思う。手の先、足の先から温かさが広がっていくことを感じる。
(空想練習) 「自分の内面に集中」
心は内面の世界を向き、外界から離れておごそかな気持ちになることを感じる。心の静けさを感じる。
(めざめの練習) 「全身に力を戻す」
全身を伸ばして深呼吸。命とエネルギーが体全体に広がっていき、生き生きとし、軽やかになることを感じる。
それから、乾布摩擦や温冷浴も自律神経のバランスを整えてくれます。特に温冷浴は、ストレスホルモン(ストレスへの抵抗力を高め、疲労感を弱める)の分泌も促進すると言われ、肌を擦ることによって痛める心配もありませんのでお勧めです。
・水から始め、湯→水→湯と交互に繰り返し、最後は水で終わる。寒い季節などは無理せず、湯船で暖まってからでもOK
・回数は計7〜11回程度(5回以下だと効果が薄いし、やり過ぎると疲れる)
・湯船はお湯、水はシャワーで代用。水温は15〜20度、湯温は40〜42度(シャワーは冷たさを強く感じるので、水風呂より多少温度が高くてもいい)
・温冷浴は朝でも夜でも良いが、食後は1時間ほど経ってから
・身体に不安のある人は絶対に無理せず、徐々に慣らすこと。高血圧、心臓に疾患のある人、肝臓が悪い人、慢性腎不全の人、酔っ払っている人などは温冷浴をしてはいけません。
4.便秘解消法・・・ストレスを解消しよう
・睡眠を十分に摂り、規則正しい生活を心掛けましょう。人間には体内時計があります。一定のリズムを保って生活するように出来ているのです。
・適度な運動と、入浴や音楽などで気分転換の時間を持つ。やっぱりお勧めはモーツァルト。特に好きで無くても、効果は得られるとのことです。おうちでくつろぐ時のBGMにいかがでしょう。モーツァルトを聴きながら、ゆったり半身浴・・・なんかいいと思います。
・細かいことにとらわれず、おおらかに自然体で物事を考えるようにしよう。完璧主義を捨てること。真面目過ぎるのもツライです。肩の力を抜いてみましょう。
・一人で悩まず、些細な悩みでも家族や友人に話したり、何でも相談できる人を持つようにしたいですね。話を聞いてもらうだけで、心が軽くなることってありますよね。
5.おさらいしよう!食事と運動
さて、もうみんな知ってるハズの(?!)「食物繊維を摂る」「腹筋運動をする」「水分を摂る」などの項目についておさらいしてみましょう!
・食物繊維は本当に足りていますか?
実は食べているつもりでも、意外に足りていないことも多いのです。毎日必ず摂っていますか?レタスとキュウリのサラダなんかは、食物繊維を食べたうちには入らないですよ〜。お勧めは海草!日本人なら海草を食べなくっちゃ!寒天が最強ですが、わかめ・昆布・ひじきなど、毎日摂るようにしたいですね。白いご飯はぜひ玄米に変えましょう。好き嫌いが多かったり、和食がダメな人は、サプリメントで補いましょう。
・水分はたっぷり摂っていますか?
朝起きてすぐ、たっぷりのお水を飲む習慣を付けましょう。食事中にガブガブお水を飲むと、胃酸が薄まってしまうので×。水分補給は空腹時に。柔らかいうんちのためには、水分が必要です。食物繊維はお腹の中で、水分を吸って膨らみます。水をたくさん飲むとむくんじゃうの・・・っていう人は、塩分の摂り過ぎとカリウム不足に注意です。塩分は控えめに、そして野菜ジュースを飲むようにしてみて下さい。
・栄養はきちんと摂っていますか?
バランスの良い食事をし、栄養は不足なく摂っていますか?ビタミンやミネラルが不足すると、体は様々な不調を来たします。マグネシウムはお腹が緩くなるので、便秘の方にお勧めです。マグネシウムたっぷりの硬水、「コントレックス」は女性のファンが多いようですね。また、ビタミンCも便秘解消に効果があるようです。朝のお水と一緒に摂るといいですよ。食物繊維もそうですが、外食が多かったり、好き嫌いが多いようでしたら、サプリメントを上手に利用するといいと思います。
また、完全な油抜きダイエットで便秘になることもあります。オリーブオイルを大さじ1杯ぐらい、毎食後に摂ることで解消する方もいます。
・ちゃんと食べていますか?
この質問は、「ちゃんと噛んで食べていますか?」と、「ちゃんとした時間に食べていますか?」の意味があります。良く噛んで食べることは、胃腸にとってとても大切なことです。そして、「ちゃんとした時間に食べる」ことも大切です。寝る4時間前(せめて3時間)までに、食事は必ず済ませて下さい。水分もそれ以降は、あまりガブガブ摂らない方がいいでしょう。だらだら食いもよくありません。
・朝ごはん食べていますか?
朝ご飯抜きは体に良くないから、必ず食べるように・・・と、いうことが今まで常識のように思われていましたが、最近では必ずしもそうではないという、医師や専門家の意見も多くなって来ました。私も「食べた方が良い人と、そうではない人」がいると思います。もし、朝ご飯をきちんと摂っているのなら、試しにしばらく抜いてみるのもいいと思います。
朝起きてから、お昼ご飯まではお水、野菜ジュースなどのみで過ごします。もし、お腹が空いてガマン出来ない、頭がボーッとするようなら、チョコを一欠けや飴を食べるなど出来るといいですね。職場によっては出来ない環境もあるでしょうが、ポケットに入れておける一口サイズのチョコなら、コソコソっと食べれるでしょう。空腹時にはモチリンというホルモンが分泌されます。それはとても強力に腸の蠕動運動を促すものです。ですから、「空腹である」という時間、状態を持つことは必要だと思っています。
「朝起きて水を飲む→催したら出す→出してから食べる」、というのが自然であるという考え方です。時間に束縛されている現代人に摂っては、「出してから食べる」というのも難しいとは思います。時間になったら食べておかないと、後でお腹が空いても食べる時間が無いから、、お腹も空いていないのに、無理に食べておくしか無いということもあるでしょうが、体が求めていないのに食べるということは、なるべくしない方がいいでしょう。
ただし、「朝食を摂らない」からと言って、その分お昼や夜にたくさん食べてはいけません!食事を抜いた分、反動でドカ食いしてしまうぐらいなら、軽く朝食を摂った方がまだマシ。常に少食、腹7分目ぐらいを心掛けましょう。
・腹筋を鍛えてますか?
便秘で悩むのは、圧倒的に女性が多いですね。それは腹筋が弱いことも原因になっています。筋力トレーニングで腹筋を鍛えましょう!ウエストも細くなるし、下っ腹はへっこむしで良いことずくめです!で、どうやるか?・・・ですが、結構間違った腹筋運動をしている人が多いようです。ツライ割にあまり効果が無かったり、腰を痛めてしまったり・・・。10/3放送の「スパスパ人間学」というテレビで、「逆さ腹筋」なるトレーニング方法が紹介されました。起きあがる腹筋運動じゃなくて、倒れて行く方法なんです。これはお勧めですから、ぜひ試してみて下さいね!
・有酸素運動してますか?
やっぱりこれも必要なんです。運動不足は便秘の敵!早足で歩く、ウォーキングがいいでしょう。毎日30分、もしくは10分×3回でも構いません。のんびり歩いては意味が無いので、心拍数がある程度上がる必要があります。ちょっとドキドキして、汗ばむぐらいです。
歩くことって、本当に美容と健康に必要なんです。足の筋肉を使ってあげると、血の循環が良くなります。足の筋肉は、第二の心臓とも言われているんですよ。足の先に流れた血液は、筋肉の力でまた心臓に押し戻さないといけないのです。ですから、足の筋肉が衰えている方は、血行が滞ってしまい、それが冷え性の原因にもなるのです。全身の血行が良くなれば、もちろん腸の血行も良くなります。努めてウォーキングに励みましょう!
・骨格が歪んでませんか?
骨盤が歪んでいることが原因になっていることもあります。骨盤矯正体操もお勧めです。こんな本も出ています。

便秘はきっと治ります!出来ることから一つずつ生活習慣の改善をして行きましょうね!